トップページ
プロフィール
講義・演習
2010年度
Fiscal and Financial System in Japan A
基礎文献購読
総合講座(コーディネーター)
演習1(2年生ゼミ)
演習2(3年生ゼミ)
演習3(4年生ゼミ)
国際金融論(秋)
2009年度
Fiscal and Financial System in Japan A
基礎文献購読(統計的アプローチの基礎)
演習1(2年生ゼミ)
演習2(3年生ゼミ)
国際金融論(秋)
出張講義・模擬講義
2008年度以前
文献紹介
国際政治経済学関連文献
English
リンク
練習問題の解答例
問1の解答
途上国がテレビを1台増産する.労働者5人が(米の生産から)テレビの生産に移る必要があるので,米が1トン減産されてしまう.
テレビ
途上国 -1トン +1台
先進国が米を1トン増産する.労働者4人がテレビの生産から米の生産に移る必要があるので,テレビが4台減産されてしまう.
テレビ
先進国 +1トン -4台
米については,先進国が増産した分で途上国の減産分をカバーできる.
一方,テレビについては,先進国が4台減産しているのに対して,途上国は1台しか増産できていない.
したがって,「@途上国がテレビ増産,A先進国が米増産,B互いに交換」という,講義で取り上げたのと正反対の取引を行うと,入手できる米の量は変わらず,テレビの量は3台減ってしまう
お互いに,相手より多くの犠牲を必要とする製品を増産しているため,増える以上の犠牲が発生してしまう.結果として,つくったものを両国でどんなにうまく分けても,入手できる製品の量は減ってしまう.
問2の解答
「機会費用」は以下のようになる.
米の機会費用 テレビの機会費用
先進国 テレビ1台 米1トン
途上国 テレビ1台 米1トン
この表から明らかなように,この問題のケースでは,先進国と途上国との間に機会費用の差がない.すなわち,いずれの国も相手と比較して米・テレビのどちらが得意ということはない.
したがって,<先進国=テレビ増産,途上国=米増産>も<先進国=米増産,途上国=テレビ増産>も,両国が入手できる製品の量を増やす効果はない.
(相手と比較して)得意・不得意があるということこそが,貿易の第2の利益を発生させる要因なのである.
この点を確認するために,次のような生産の調整の効果を考えてみよう.
まず,先進国がテレビを1台増産する.このとき,米は1トン減産される.
テレビ
先進国 -1トン +1台
次に,途上国が米を1トン増産する.このとき,テレビは1台減産される.
テレビ
途上国 +1トン -1台
すぐにわかるように,米については先進国が犠牲にした分と途上国が増やした分とがちょうど等しくなっている.テレビについても,やはり途上国が犠牲にした分と先進国が増やした分とが等しくなっている.
したがって,お互いに相手の犠牲を補充しあうと,余分は残っていない.つまり,入手できるテレビの量を増やすことはできないのである.