📚卒論概要📚






👑タイトル

「剣道」と「成長」
―雑誌『月刊剣道日本』から読み解く 1976-2016―

“Kendo” and “Growing Up”:
A Study of the Discourse in the Kendo-Nippon Monthly 1976-2016

🌸目次

第1章 「成長」とはなにを意味しているのか

 1-1 テーマ決定の経緯
 1-1-1  わたしにとっての「成長」
 1-1-2  わたしにとっての「剣道」
 1-2  「成長」と「剣道」の関係性
 1-2-1  「成長を求める剣道」という見方
 1-2-2 先行研究
 1-3 本論文の趣旨
 1-3-1 本論文のアプローチ
 1-3-2 本論文の構成

第2章  「成長」のための「剣道」

 2-1 「剣道」を定義する
 2-1-1 こんにちにおける「剣道」
 2-1-2 一般的な「剣道」とその起源
 2-2 競技としての剣道史
 2-2-1 打込み稽古法 ――江戸時代
 2-2-2 「武道」としての「剣道」
 2-2-3 「剣道」全面禁止と「しない競技」 ――1945年
 2-2-4 「剣道の理念」の発表 ――1975年
 2-3 学校教育における剣道
 2-3-1 戦前
 2-3-2 戦後

第3章 運動部活動の発展史

 3-1 こんにちにおける「運動部活動」
 3-1-1 中等教育
 3-1-2 高等教育
 3-2 「運動部活動」の誕生 ――明治時代
 3-3 「運動部活動」の再開 ――戦後
 3-3-1 「統制」のなかでの「自治」 ――1945年
 3-3-2 「統制」の緩和と「競技性」の高まり ――1950年代後半
 3-3-3 「必修クラブ活動」の誕生 ――1970年代
 3-3-4 実質的な「部活動」の必修化 ――1980年代後半
 3-3-5 「部活動」の自由選択化 ――2002年

第4章 雑誌『月刊剣道日本』から読み解く「成長」

 4-1 調査にあたって
 4-1-1対象雑誌
  4-1-1-1 剣道専門誌
  4-1-1-2 なぜ『月刊剣道日本』なのか
 4-2 間接的に「成長」を捉える方法論
 4-2-1 「剣道部」という環境
 4-2-2 雑誌『月刊剣道日本』で書かれているもの

第5章 「矯正」としての「成長」 ――1976-1995

 5-1 「正しさ」を教わる ――1976-1985
 5-1-1 はじめに
  5-1-1-1 該当記事とアプローチ
  5-1-1-2 当時の風潮を探る
 5-1-2 前期 ――1976-1979
  5-1-2-1 実力のための猛稽古
  5-1-2-2 ひとづくりのための猛稽古
  5-1-2-3 目的的な猛稽古
  5-1-2-4 読者
 5-1-3 後期 ――1980-1981
  5-1-3-1 前回を受けて
  5-1-3-2 量を重ねる
  5-1-3-3 言葉であおる
  5-1-3-4 とても苦しい練習をする
  5-1-3-5 一生懸命にやる
  5-1-3-6 読者

 5-2 「正しさ」を察する ――1986-1995
 5-2-1 はじめに
 5-2-2 前期 ――1986-1990
  5-2-2-1 将来性
  5-2-2-2 意欲
  5-2-2-3 工夫
  5-2-2-4 試合以外のこと
  5-2-2-5 一生懸命さ
  5-2-2-6 求める姿勢
  5-2-2-7 人格
  5-2-2-8 読者
 5-2-3 中期 ――1991-1995
  5-2-3-1 はじめに
  5-2-3-2 自ら求めること
  5-2-3-3 心が変わること
  5-2-3-4 目標に向かって努力をすること
  5-2-3-5 読者
 5-2-4 後期 ――1996-1999
  5-2-4-1 意識
  5-2-4-2 かかる気持ち
  5-2-4-3 読者

第6章 「伸長」としての「成長」 ――2000-2016

 6-1「努力」で伸ばす ――2000-2007
 6-1-1 はじめに
 6-1-2 前期 ――2000-2002
  6-1-2-1 悔しさをムダにしない
  6-1-2-2 苦しい経験をすること
  6-1-2-3 読者
 6-1-3 後期 ――2003-2006
  6-1-3-1 自信をもって
  6-1-3-2 努力をする
  6-1-3-3 読者

6-2 「想い」で伸ばす ――2007-2016
 6-2-1 はじめに
 6-2-2 前期 ――2007-2011
  6-2-2-1 合理的な練習
  6-2-2-2 悔しさを活かす
  6-2-2-3 周囲の存在
  6-2-2-4 強い気持ち
  6-2-2-5 読者
 6-2-3 後期 ――2012-2016
  6-2-3-1 試合重視の練習方法
  6-2-3-2 試合の「中身」
  6-2-3-3 あいつのおかげ
  6-2-3-4 間違っていないこと
  6-2-3-5 人間力

第7章 まとめ・考察

 7-1 「成長」はどのようなものであったか
 7-2 「成長」とはなんであったか

第8章 反省・今後の課題

 8-1 今後の課題
 8-2 反省

◆参考文献一覧




🌟要約

【和文】

 「人はどのようにして『成長』する」と語られているのか。本論は、この問いを出発点として、学校の「剣道部」という場における「成長」の「語られ方」を探ることを目的とする。

 なぜなら「剣道部」という環境は、部員につよく「成長」を迫る環境といえるために、そのなかで語られることは、「成長するために必要なもの」として捉えなおすことができるからである。

 そこで、剣道専門誌である雑誌『月刊剣道日本』内の「部活動関連記事」を対象に、そのなかで語られている要素を抽出する。そのなかから、一定期間中心的に語られるいくつかの要素に着目し、それらがどのように語られているのかを読み解く。

 調査の結果、剣道部員の「成長」とは、指導者の要求に対してみずからをつくり変えることであった。1999年までは部員が指導者に矯正される形で「成長」していくさまがそのまま語られていたが、2000年を境にその指導者の権力は隠蔽されてゆくことが明らかになった。



【英文】

  How people say “How to grow up”? The aim of this study is to consider that people read what kind of way of “Growing up” in kendo club at school.

  I take up the magazine of the Kendo-Nippon Monthly as a material to observe ways of the “Growing up” in “kendo club” at schools. The Kendo-Nippon Monthly has published in 1976 in the midst of “junior-kendo” boom and it still for forty-one years as monthly magazine.

 It can be said that “kendo club” is a place to compel a member to do “Growing up”. There are two main reasons in this.There is one kendo is regarded as one of steps to “making mature”, the other is club activities are as part of an education.

  I extract factors for “Growing up” in articles about kendo clubs by the magazine of the Kendo-Nippon Monthly. Further I choose and analysis some main factors from among. Also I divided these discourses to 2 periods (1976-1999 and 2000-2016).

  It is appear that “Growing up” is “adapting oneself to be intended”. Moreover former hand it is appearing all the details of the makes members of the kendo clubs cure. Later hand is being concealing.




2017.03.19

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