卒業論文の概要

 私の卒業論文のテーマは「ゲストハウスはどのような場なのか」である。今回扱ったゲストハウスとは、リビングやキッチン、バスルームなどを他の宿泊者と共有したり、相部屋の形式をもち、比較的安い料金で泊まることができる宿泊施設のことを指す。

 私はたまたまゲストハウスというものの存在を知ってから、ひとりで旅行する際などに利用するようになった。はじめは宿泊料金が安いからという理由で利用していたが、徐々にその意識は薄れ、安く泊まることができる宿泊施設がほかにもある中で、好んでゲストハウスを選ぶようになった。さらに、最近ではゲストハウスを開業したというネット記事などをよく見かけるようになった。なぜ人はゲストハウスにわざわざ集まり、また開業しようとするのだろうか。まずは実際のゲストハウスがどのような場なのかを探っていきたいと考え、テーマを設定した。


反省点、課題点

 卒業論文では、本論として3軒のゲストハウスへのフィールドワークをおこなった。フィールドワークでは、北海道札幌市、埼玉県秩父市、東京都台東区のゲストハウスにそれぞれ宿泊し、そのゲストハウスになにがあり、どのような間取りなのかを調査した。

 フィールドワークの反省点としてはまず、調査のつめの甘さがある。間取りや全体の配置などを把握することはできたが、建物や部屋全体の調査と細部の調査のバランスを考え、どこまで詳細に調査をおこなえばよいのか迷い、均一な調査ができなかった。さらに、フィールドワークは他の利用客と同様に宿泊し、他の宿泊者もいる中でおこなったため、スタッフやほかの宿泊者に遠慮し、思ったように調査を進めることができないこともあった。しかし、全体としてもう少し踏み込んで調査できる部分はあったようにおもう。

 また、論文の反省としては、民宿やペンション、ユースホステルといったゲストハウス以外の施設の調査を行うことはできなかったことが挙げられる。そのため、それらの宿泊施設の実態については、先行の調査や研究に頼ってしまった。他の宿泊施設を調査し、比較することで、相対的にゲストハウスという場を捉えることができたように思う。



卒業論文をふりかえって

 卒論を書き終えてみておもうのは、けして、納得のいく卒業論文ではなかったということである。それは、テーマが決まっていたにもかかわらず色々なものに目移りし、夏休みの長い時間を有効に使うことができなかったということや、取り組み始めてからも自分が論文でなにをおこなうべきなのか、ロジカルに考えて行動することができなかったということが原因である。全体として、もっと早くから行動しておくべきだったというところが、最大の反省点であると思う。