6月発表の振り返り

このページでは、〈わし〉の6月の発表のまとめを掲載します。


6月発表のテーマ

 6月の発表のテーマは、「卒業論文のテーマ、方向性」。私は当初、卒業論文のテーマの方向性について、自分は何を書くべきなのか、何が切実なのかが分からなかった。改めて自分が今思っていることを整理してみて、「エンターテインメントが好きなあまり、地方に住みたくない自分」を発見し、その後都市とエンターテインメントの関係を大枠のテーマに据えて、都市社会学などの本を当たった。その中で、田舎と都会の情景は流行歌にもあらわれている、と例が挙げられており、それをヒントに、「小沢健二/90年代渋谷系の歌詞に見える東京像」というものをテーマにしたいと考えた。


発表を行って

今回の発表に関しての反省点は大きく分けて3つである。

1、もともとの問いからずれてしまっている、自分の根本的な問いがわかっていない
 ディスカッションで「90年代渋谷系などを調査したいと挙げられているが、今の東京が知りたいわけではないのか?もっと自分に引き寄せた方が良い」「渋谷系を何故扱うのか?名前だけだと動機が弱い」という意見が出た。詳細なテーマをもとめてしまうあまり、「エンタメと東京」という元々興味のあったものからは飛躍してしまっていた。また、東京で生まれるものと東京が描かれているものは別々のものであるにも関わらず、それを混ぜこぜにして考えてしまっていたところがある。そして、東京とはそもそもどういう場所で、どういう面からの東京を扱いたかったのかも、自分ではっきり分かっていなかった。
 そもそも自分の根本にあるものを知り、「問い」を立てるためには、様々な方面からの文献を多数読む必要があったのだが、それを怠っていたともいえる。ゆえに、自分の本当の問いが見えておらず、そもそも掘り下げることもできないレベルだったにも関わらず、発表を行ってしまったということになる。

2、文献のつまみ食いになっていた
 とりあえず数冊の本を読んで、目の前にあったものに安直に食いついてしまった。そして、その中で自分の発表に都合のいい部分をさも「事実である」かのように引用して利用してしまった。筆者がどのような立場であるのか、何の分野の本であるのか、書かれていることは事実なのか言説なのか、区別がつかないまま本を読んでしまった。

3、東京人ではない自分という視点が抜けていた
 先生からの指摘にもあったように、東京の物は享受できるが、東京に住んでいるわけではない、周縁にいる自分という視点が抜けていた。自分としてはそういう条件も踏んだ上で考えているつもりだったが、つもりに過ぎなかったように思う。根本の問いを立てたり、自分の切実なテーマを探すことができなかったのも、この視点が抜けていたからなのかもしれない。


合宿に向けて

 現在、自分がまだクリアできていない問題を考えてみると、まず第一に自分の根本的な問いが見つけられていないということがある。これには、文献を読む量が単純に少なすぎたという原因があると思う。また、読んだ本の種類が偏っていた。まずは7月半ば〜終盤までに、最低でも10冊ほどの本には簡単に目を通したい。その際、本の分類としても民俗学、地域社会開発、都市地理や計画、文化政策などいくつかの方面からまずは「都市」や「地域」について知り、考えてみたい。
 また、合宿より前の時点、できるだけ早い段階で、いちど全員でなくていいので、何人かのゼミ生に、自分のテーマについてすこし話をしてみたいと思う。ざっくばらんに意見をもらったり、自分の考えていることが飛躍していないか、知りたいことがわかるか聞いてみたい。これは具体的な目標とは違うかもしれないが、6月の発表では達成できなかったこととして、今後行いたいこととして挙げておきたい。