6月は「卒業論文のテーマ・方向性」の発表を行った。私は、今まで演劇のチラシに着目してきたが、
卒業論文を書く上で必要であると言われてきた「疑問」が浮かばなかった。そのため、演劇そのものに立ち返り、
演劇は、演目を見せることで観客からお金をもらって成り立っていることに注目しようと考えた。
もともと、「興行」に興味があったこともあり、「わたしは演劇の何にお金を払っているのか」ということから、
卒業論文につなげていきたいと考えた。
そもそも、興行について発表しようと思ったのは、「お金を払うなら面白いものを観たい」、 「これだけのお金を払って失敗したくない」と思う気持ちが大きくなっており、 観劇が好きだと言いながらも、この気持ちはなんなのか、ともどかしく思いっていた。 そして、これが私が突き詰めるべき疑問なのではないか、と思ったからである。
わたしがもどかしく感じるようになったできごとを中心にレジュメを作成し、演劇の仕組みの本を読み、
そして芸能の興行について書かれている本を探して参考にした。本をたくさん読んで発表するのではなく、
自分の意見を述べることが中心になってしまった。
私が演劇の何にお金を払っているのか、という問いは、自分の中でもう答えがあるのだと
ディスカッションにおいて指摘をうけた。また、わたしは演劇の世界の両極端しか見られておらず、
無意識に演劇にかかわるひとを傷つける、ナイーブな発表となってしまっていた。
わたしのように「こっちがお金を出しているのだから」と文句を言うひとが増えているから、
実験的・挑戦的な演劇が減ってしまっている。という言葉を先生にいただいた時は、大変ショックを受けた。
演劇好きを公言しているのにも関わらず、自分自信が演劇の可能性を狭めていたからである。
しかし、ディスカッションや先生からのアドバイスを受けて、ますます興行に興味をもったので、
このまま調べていきたいと思った。