6月発表振り返り
1.全体の反省を受けて、振り返り。

テーマの選定は出来ていたので、あとは本を読むのみだった。抱いている疑問に対して「これを読めば分かるのではないか」という思いから本を選定した。色々と興味がある本を挙げることは出来たが、そのうちの3つにしか触れることができなかった。とにかく、自分の私見が出来るだけ発表に入らないように気を付けたつもりだった。  だが、調べた結果、自分の問いに答えるという形の発表には出来なかった。むしろ、出発点とは違う疑問点が出て来てしまい、発表に統一感が無くなってしまった。結局参考にする情報の数が少なかったので情報のつまみ食いの発表になってしまってことは言うまでもない。  本に対する読み込みは前回よりも出来、聞き手に対して、流行のメカニズムを分かりやすく伝える工夫もできたと思う。そういう意味では、前回よりもまとまった発表にできた気はする。というよりも、前回の発表がひどすぎた。したがって、マイナスだった発表のレベルをやっと0に出来たと思う。  私は、発表するにあたり動機は持っていた。ただ私がいけなかったのは、それに取り組む姿勢だと先生から指摘を受けた。正直、今でも自分の発表の何がいけなかったか、そのすべてを把握することはできていない気がする。だが、今のところこれだけわかる。私は、言葉と、それを扱う人に対する冒涜を平気で行っていたということ。そしてそれは、ゼミに入ってまで芸術を学ぶ者には絶対にあってはならないということだ。2に続きます。


2.8月に向けての目標

「言葉に対して抱いている嫌悪感・偏見を和らげ、且つ、自分が扱いたいと思っている言葉の記号性・市場の中で使われる言葉についての基礎知識を蓄える。」

あの後何人かに話を聞いてもらえた。やはり流行は、扱う範囲としては広すぎるのではないか、なぜ言葉が嫌いなのか…等々。言葉にそれだけの執着があるなら、むしろ流行よりも言葉について研究したほうがいいのではないかと言われ、尤もだと思った。言葉はなぜ生まれ、何のために存在し、人間に対してどのような影響を与えてきたのか。まずは言葉の良い面を沢山知らなければならないと思った。言葉を得ることで人の思考が広がっていくことは論理としてわかるので、知識としても、実感のレベルでも理解したい。 今の時点で持つ疑問は結局言葉に対する嫌悪感から生まれた「思い込み」によるものになってしまうので、今のところは挙げないでおく。

以下、合宿までには絶対に読んでおきたい文献を挙げる。週1冊のペースを守り、確実に知識を蓄えていきたい。


7月中に読みたい本

1週目 ・『ことばの起源―猿の毛づくろい、人のゴシップ』青土社 ロビン ダンバー (著), Robin Dunbar (原著), 松浦 俊輔 (翻訳), 服部 清美 (翻訳) →(内容) 猿の集団が大きくなって「毛づくろい」ができなくなったとき、それに代わるコミュニケーション手段として生まれたのが人間の「ゴシップ=言語」だった―生物学、脳生理学、人類学、心理学などの最新成果を踏まえ500万年を鳥瞰し、ことばの進化の歴史を根底から覆す。

2週目 ・『言語表現の起源をめぐって―モーペルテュイ、テュルゴ、メーヌ・ド・ビラン 単行本』北樹出版 ロナルド グリムズリ (編集), Ronald Grimsley (原著), 益邑 斉 (翻訳), 冨田 和男 (翻訳) →(内容) 『ヴォルテールと十八世紀研究』誌に英語で発表された、モーペルテュイとテュルゴ、メーヌ・ド・ビランによるテクストの全訳。3者の言語起源をめぐる議論を中心に据えて収録する。

3週目 ・『記号論への招待』 岩波新書 池上 嘉彦 (著) →いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

4週目 ・『消費社会の神話と構造』紀伊國屋書店 ジャン・ボードリヤール著 今村仁司、塚原史訳