5月発表振り返り
プラン(何を実現させたいか)

「人の心を動かすのは何なのか」ということに興味があった。 多くの人々の話題に上った言葉は、多くの人が使った言葉、多くの人に受け入れられた言葉であり、人々の心を掴んだ言葉と言えるのではないかと考えた。 1992年から2014年までの「流行語大賞」を全て列挙し、「人の心を動かすもの」に少しでも近づけないだろうかと考えた。 但し、流行という言葉の多様性にも留意したかった。 したがって、まずは流行とはなんなのか、どういう性質を持つものなのか、社会科学的知見・マーケティング的観点からそれがどのように捉えられているかを調べた。



準備

沼田健哉著の論文、『流行論』を読み、社会学的知見から見て、流行がどう説明されているかを理解した。その中に流行の恣意性という項目があり、その観点をもう少し深めてみたいと思った。流行を作り出す側が流行をどう理解しているか知りたかったため、電通マ-ケティング局が出している『成熟社会の流行現象』を読んだ。 上記の資料が30年近く前のものだったことと、言葉と流行現象との関連を調べたかったため、2003年に出版された松井剛著の『ことばとマーケティング : 「癒し」ブームの消費社会史 』を読み、流行現象がいかにして生まれ、人々に定着して行ったかを理解した。 それと並行し、1992年〜2014年度の流行語大賞リストを作った。最終的な目的は「人の心を動かすものは何なのか」ということを知ることだったため、『流行語大賞30周年 : 受賞語で振り返る30年の世相と日本人』の中で、それぞれの流行語がどのように解説されているかを調べ、「ヒットした」「ウケた」などという言葉の使い方で解説されている語をピックアップした。



発表

まず、何を知りたかったか、それにあたり何を調べたかを述べた。流行という現象について、レジュメ1枚目では社会的知見から、2枚目ではマーケティング的知見からどう捉えられているかをさらった。その後、『ことばとマーケティング : 「癒し」ブームの消費社会史 』を読むことによって知った、流行現象がいかに起こり、人々に定着して行くかの具体例を示した。最後に、流行語大賞のリストと、ピックアップした資料を参照し、「流行語=人の心を動かした言葉」にはどのようなものが多いかの結果を発表した。



どのように課題と結びついたか

流行現象の複雑性を留意した上で、流行語の調査にあたった。結果、流行語大賞の「流行」と、流行現象の「流行」は、少し違うニュアンスで用いられているものなのかもしれないということがわかった。流行語大賞からは、人の心を掴んだものというよりか、「当時好ましいとされていた雰囲気」が分かるのではないかという考えに至った。 また、ある程度流行語の量を調べたことで、どのようなものが世間にウケるかのパターンが見えた。(ドラマ・政治・お笑い・スポーツ・災害)



反省・感想

どういう目的を持って調査を重ねたかの流れはよく説明ができたと思う。しかし、レジュメをただ読み上げるだけの発表になってしまった。発表の練習をせず、原稿を作らなかったことが原因である。 また、事前調査も足りなかった。「流行語大賞とは何か」という情報は、レジュメに載せてもよいぐらい重要な情報であったのに、指摘されるまで意識していなかった。せめて、○○の本の何ページに載っている、とわかるぐらいのチェックはしておくべきだった。 また、調べた内容全てをレジュメに載せてしまった。そのため、発表に統一感がなかったと思う。というより、調べた内容を発表に昇華させて行くだけのプロセスを踏んでいないので当然のことではあるのかもしれない。調べた内容全てを採用するのではなく、聞き手に効率よく自分の言いたいことが伝わるような形で発表できるよう似せねばならないと思った。

ただ、調査をしてきた中で、流行語大賞からは、人の心を掴んだものというよりか、「当時好ましいとされていた雰囲気」が分かるのではないかという結論に至った。これは収穫だった。調査することで、新たにわかることがある、ということを実感した気がした。

他の人の発表を聴いて、考えたこと・思ったこと
まずは、3人分の発表しか聞けていないのが今回の大きな反省点です。申し訳ありません。 自分の考えを排除した発表の難しさを実感した上で発表を聞きました。自分は、調べたことをただ淡々と話すだけで発表として成立するかが不安だったのです。ですが、そういった類の発表も、面白いものだと感じました。それは調査と発表の内容が連動しており、きちんと軸があるからこそのことだろうと思いました。私ができなかった「調べた内容を発表に昇華させて行く」ことができているのだろうと思いました。  また、発表にパワーポイントを使うのはやはりわかりやすくてよいと思いました。ビジュアルがあった方が、断然説得力があると思いました。何より、聞く人が顔を上げて発表者の話を聞けるのがよいと思いました。レジュメかじりついて読むものでは無いので、ここでも自分のつくったものについて反省しました。