4月の発表



▼概要

テーマ選択に関して自由であった今回の発表で、私は「学歴社会」と「学歴コンプレックス」について発表しました。 何故このテーマにしたかというと、私自身、つい最近まで学歴コンプレックスを抱えていたことがまずひとつ、 アルバイトとして塾の講師をしていて、小学生から高校生と幅広い学年の生徒と関わるなかで「学歴社会」という ものをひしひしを感じたことがひとつ、そして自分が子どもたちのために何かしたいと思い教育業界に就職を 決めたことがひとつ、そして鶴見俊輔さんの本との出会いが、理由として挙げられます。 両親の教育方針で勉強ばかりしてきた私でしたが、第一志望の大学に落ち、虚無感と絶望感に襲われ、 学歴コンプレックスを感じながら大学生活を送ってきました。そんな中アルバイトとして塾の講師を始めると、 「良い大学に入りたい」と、かつての私のような目標をたて、かつての私のように塾に通い勉強している生徒たち ばかりに出会いました。子どもたちに、学歴だけが全てではない、また自分のように学歴コンプレックスを持ってほしくないと 思ううちに「教育」というものにどんどん惹かれました。 その後偶然に、私は鶴見俊輔さんの教育について記した本を何冊か読みました。「今のエリートはエリートなんかじゃない。 お金があって塾に通い、試験を通りぬけてきただけの人物だ。本当の意味での「人材」を履き違えてはならない。」 この言葉に私は救われ、心の片隅にこびり付いていた学歴コンプレックスを払拭することが出来たのです。 私のこの学歴コンプレックス払拭は人生のなかで大きな転換となりました。そのため、学歴社会と学歴コンプレックス、 そして私との関係をテーマに発表しようと今回決めました。

▼発表を終えての反省

  発表するにあたり、春休み個人課題で読んだ本を部分部分もう一度読み返し、また鶴見俊輔さんの本を新たに 2冊読みました。読みたい本は必ず購入していた私でしたが、発表までの残り少ない時間のなかで発注するのは 時間がもったいないと考え、学校の図書館を利用しました。ネットで本を注文する場合は中身が分からないため、レビュー等を 参考にするだけで、あとはフィーリングで本を選んでいましたが、一方で図書館ではぱらぱらと中身をその場で読むことが 出来るため、今の自分に必要な文献を選択することができたとおもいます。とにかく時間がないと思ったため、電車の中、バイトの 休憩中、様々なところで文献を読みました。 その本の内容全てが発表に直結したものではありませんでしたが、自分の意見をまとめるための役に立ったと思います。 自分自身の勉強に関する姿勢や学歴コンプレックスをもつようになったきっかけは今まで言葉にまとめたことが 無かったため、図式や箇条書きでまず書き出し、分かりやすく文章化出来るようにしました。またアドリブで人前で 話すことが苦手なため台本を作成しました。台本を作成する際は、聞きづらい文章にならないようにするために声に 出しながら書き、何度も推敲を重ねました。発表当日に緊張で頭が真っ白になっても大丈夫なように何度も声に出して読み 身体に台本を染み込ませました。   発表当日は、「何故学歴コンプレックスを乗り越えられたか」や「就職活動において1年浪人しているとそれだけで 落とされてしまう」等、ゼミ生自身の体験談を交えた質問や意見が出されました。前者に関しては鶴見さんの本の抜粋や 私の塾でのアルバイトの経験に関して、偏差値の高い大学に通う講師との関わり合いのなかで払拭されたことを 話しました。私の志望していた大学、学部を受験した学生が長谷川ゼミに多かったため、自身の意見を話す学生が多かったようにおもいます。 また発表の最後で少しだけふれたアメリカの学歴社会についての質問も多く、「アメリカの大学に偏差値はあるのか」等の 質問が出されました。   今回の発表を通じて達成できた点は、自分の考えていたことを言語化出来たことがまず挙げられるとおもいます。今までは漠然と、 しかし長年感じ続けていた学歴コンプレックスを誰かに話す気にはならなかったのですが、それを克服した今となっては、 その過程をしっかり整理することが出来たとおもいます。様々なエピソードがあり、散らかった発表になってしまうと感じたため、 文章化する前に図式し一度まとめられたのが良かった点です。また緊張しても話せるように台本をきちんと作れた点と、 それを何度も推敲した点が良かったと感じます。何度も推敲するうちにすっきりとした台本を作ることができました。   達成できなかった点としては「内容量」の面がまず挙げられます。他の学生の発表は15分を超えるものが多く、またその時間が短く 感じられるほど内容が面白く聞きやすいものでした。その点私は10分ほどで発表が終わってしまい、簡潔であった一方で 内容が薄いものであったと感じました。自分のなかではどんなに大きな変化であったとしても、いざ言葉にしてしまうと数分で 話せてしまうようなものであったとおもいます。もう少し話を広げられたら良かったと感じました。また発表の最後で少し補足的に話した アメリカの学歴社会については、質問がきても正確な資料があり、根拠のある回答が出来ず、自身の想像やイメージで ディスカッションをしてしまいました。そのため発表自体には口を出さないと話していた長谷川先生に補足説明をしていただく ことになり、自分の調査不足とふがいなさを感じました。