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~目次~

「ハルキスト」という生き方-村上春樹作品の消費的受容に関する一考察
A Way of Life as "Harukist": An Acceptance of Haruki MURAKAMI

目次
1章 序論
 はじめに
1-1 なぜこのテーマか
1-2 「ハルキスト」について
 1-2-1 「ハルキスト」とは
 1-2-2 なぜ「ハルキスト」なのか
1-3 どのように取り上げていくか

2章 村上春樹
2-1 作家デビューまで
2-2 作家デビュー後~『ノルウェイの森』ベストセラー
2-3 『ノルウェイの森』現象
2-4 アメリカ滞在~『神の子どもたちはみな踊る』出版
2-5 『海辺のカフカ』出版~名誉学位授与
2-6 エルサレム賞受賞~『1Q84 BOOK1・BOOK2』発売
2-7 『ノルウェイの森』映画化~2013年現在

3章 村上春樹作品の消費的受容に関する言説
3-1 若者からの支持
 3-1-1 デビュー後
 3-1-2 『ノルウェイの森』の爆発的ヒット
 3-1-3 ファン層の広がり
 3-1-4 若者から全年代へ
3-2 村上春樹作品と同年代の文学作品
 3-2-1 村上春樹と吉本ばなな
 3-2-2 村上春樹と村上龍
3-3 ヒットの要因について
 3-3-1 『ノルウェイの森』から
 3-3-2 『1Q84』
 3-3-3 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
3-4 海外での村上春樹作品のヒット
 3-4-1アメリカ
 3-4-2 ロシア・ヨーロッパ
 3-4-3 中国、台湾、香港
 3-4-4 韓国
 3-4-5 海外での受容自体に対して

4章 ハルキストの作品受容に関する言説
4-1 作品の考察
 4-1-1 タイトルから内容を推測する
 4-1-2 作品の考察に対する楽しさ
 4-1-3 「世界観」を楽しむハルキスト
4-2「自分だから良さがわかる」という意識
 4-2-1 『ノルウェイの森』ヒットに対する反発
 4-2-2 自分が一番の読者でありたいという心情
4-3 作品内に出てくる事物の真似
 4-3-1 料理について
 4-3-2 音楽について
 4-3-3 外国文学について
 4-3-4 場所について
 4-3-5 作品内の事物に惹かれる理由について語るもの
 4-3-6 登場人物への憧れによる真似について

5章 考察・反省
5-1 論文を通しての考察
 5-1-1 ヒットに対するハルキストの反応の変化
 5-1-2 自分もこうなれるかもしれないという存在
 5-1-3補正するための村上春樹作品
5-2 反省

付録 村上春
樹作品一覧年表

参考雑誌一覧



【概要】
 この論文では、「ハルキスト」について雑誌に書かれた記事を調べ、それを元に村上春樹作品が「ハルキスト」によって消費される様相を明らかにすることを目的としている。ハルキストに関する記事を分類して整理し、これらの記事に基づいてハルキストについて考えていきたい。また、ターゲットとする雑誌は日本で出版されたものとする。これは、この論文で私が明らかにしたいと考えているのが、「ハルキスト」と呼ばれる日本の村上春樹ファンであるためである。
 第 1章では、私はなぜテーマをハルキストにしたのかの理由についてとテーマ決定に至るまでの経緯を説明する。
 第 2 章では、村上春樹の経歴と、彼をとりまく状況について整理していく。
 第3章では、村上春樹作品が消費される様子について説明したい。ここではハルキストについて書かれた各記事を4つに分類し、分類ごと村上春樹作品が消費される様子について説明していく。
 第4章では、ハルキスト自身の発言を分類し、各分類の詳細について話している。これを通して「ハルキスト」の村上春樹作品の受容について見ていく。
 第 5 章では、ハルキストについて3章と4章を踏まえて考察する。また、ここでは論文を書き終えての反省点を述べる。