じーや
~目次(最終版)・概要~
『ピンク・レディーはどのように真似され、語られたか』
A Discourse Analysis on Mimicry of the “PINK LADY”


第1章 序論

 1-1 なぜこのテーマなのか
 1-2 なぜこの題材なのか
 1-3 アプローチ
 1-4 本論文の構成

第2章 テレビが生んだアイドル

 2-1 アイドル成立以前(1950年代~1960年代)
  2-1-1 ラジオ中心の「少女歌手」
  2-1-2 テレビの普及と「可愛い子ちゃん歌手」
  2-1-3 映画スター
 2-2 アイドル成立期(1970年代初頭)
  2-2-1 アイドルの誕生
  2-2-2 プロダクションからテレビ主体へ
 2-3 ピンク・レディーの位置づけ
  2-3-1 ピンク・レディーの誕生
  2-3-2 ピンク・レディー現象
  2-3-3 阿久悠と都倉俊一
 2-4 70年代のテレビ文化
  2-4-1 テレビが生んだピンク・レディー
  2-4-2 当時のテレビ受容

第3章 ピンク・レディーを巡る言説

 3-1 言説マップについて
  3-1-1 言説マップとは
  3-1-2 言説マップ作成の目的
  3-1-3 3つの言説マップ
  3-1-4 座標軸
  3-1-5 マッピング及び分類方法
 3-2 言説マップ詳細
  3-2-1 言説マップ1
   3-2-1-1 振り付けの真似
   3-2-1-2 振り付けや衣装の紹介、募集
   3-2-1-3 人気の高さや魅力
   3-2-1-4 批判や悪影響
   3-2-1-5 制作の裏側
   3-2-1-6 他の歌手やアイドル
   3-2-1-7 過密スケジュール
   3-2-1-8 稼ぎ、収入
   3-2-1-9 生い立ち
   3-2-1-10 2人の関係
   3-2-1-11 スキャンダル
  3-2-2 言説マップ2
   3-2-2-1 振り付けの真似
   3-2-2-2 振り付けや衣装の紹介、募集
   3-2-2-3 人気の高さや魅力
   3-2-2-4 仕掛け人が語る
   3-2-2-5 人気分析
   3-2-2-6 批判や悪影響
   3-2-2-7 他の歌手やアイドル
   3-2-2-8 海外進出
   3-2-2-9 海外進出批判
   3-2-2-10 後楽園球場コンサート
   3-2-2-11 過密スケジュール
   3-2-2-12 人気低迷
   3-2-2-13 紅白辞退
   3-2-2-14 紅白辞退批判
   3-2-2-15 スキャンダル
   3-2-2-16 生い立ちや関係
  3-2-3 言説マップ3

第4章 ペッパー警部の登場からUFO襲来まで

 4-1 振り付けの真似
 4-2 振り付けや衣装の紹介、募集
  4-2-1 振り付け
  4-2-2 衣装
 4-3 人気の高さや魅力
  4-3-1 人気の高さ
  4-3-2 魅力
  4-3-3 異性が語る魅力
   4-3-3-1 『ペッパー警部』の振り付けと衣装
   4-3-3-2 純粋なイメージ
 4-4 批判や悪影響
  4-4-1 振り付けや露出への批判
  4-4-2 品格を問う
 4-5 制作の裏側
 4-6 他の歌手やアイドル
 4-7 過密スケジュール
 4-8 稼ぎ、収入
 4-9 生い立ちからデビューまで
  4-9-1 生い立ち
  4-9-2 出会い
  4-9-3 デビューまで
 4-10 2人の関係
  4-10-1 友情
  4-10-2 性格の違い
 4-11スキャンダル
 4-12 この時期の言説まとめ

第5章 巨大化したモンスターの行く末

 5-1 振り付けの真似
  5-1-1 流行の広がり
  5-1-2 雑誌記事から
  5-1-3 読者投稿欄から
   5-1-3-1 投稿者自身が真似する
   5-1-3-2 真似する人を見た
   5-1-3-3 みんなで真似する
 5-2 振り付けや衣装の紹介、募集
  5-2-1 振り付け、衣装紹介
  5-2-2 振り付け募集
 5-3 人気の高さや魅力
  5-3-1 人気ぶり
  5-3-2 グッズ
  5-3-3 テレビコマーシャル
  5-3-4 読者投稿欄から
 5-4 仕掛け人が語る
  5-4-1 振付師 土居甫
   5-4-1-1 振り付けへの想い
   5-4-1-2 ピンク・レディーについて
   5-4-1-3 振り付けのイメージ
   5-4-1-4 真似について
  5-4-2 作詞家 阿久悠
  5-4-3 衣装担当 野口庸子
 5-5 人気分析
  5-5-1 売り出し方
   5-5-1-1 売り出し方の特徴
   5-5-1-2 売られたアイドルとしての魅力
  5-5-2 歌謡界での位置づけ
 5-6 批判や悪影響
  5-6-1 振り付けの真似
  5-6-2 批判
   5-6-2-1 ピンク・レディー批判
   5-6-2-2 ファンへの批判
  5-6-3 事件や被害
 5-7 他の歌手やアイドル
 5-8 海外進出
  5-8-1 ラスベガス公演
   5-8-1-1 ラスベガス公演への挑戦
   5-8-1-2 ラスベガス公演の成功
  5-8-2 全米デビュー
  5-8-3 中国公演企画
 5-9 海外進出批判
  5-9-1 ラスベガス公演批判
  5-9-2 全米デビュー批判
 5-10 後楽園球場コンサート
  5-10-1 コンサートの位置づけと詳細
  5-10-2 観客の様子
 5-11 過密スケジュール
 5-12 人気低迷
  5-12-1 レギュラー番組の不振
  5-12-2 レコード売上低下と路線変更
 5-13 紅白辞退
 5-14 紅白辞退の舞台裏
  5-14-1 NHKと日本テレビの争い
  5-14-2 ピンク・レディーの延命策
  5-14-3 紅白の権威とピンク・レディーへの評価
 5-15スキャンダル
  5-15-1 所属事務所について
  5-15-2 恋愛
5-16 生い立ちや関係
5-17 この時期の言説まとめ

第6章 振付を真似るとは

 6-1 言説空間の中での振り付けの真似の位置付け
 6-2 なぜ振り付けを真似したのか
  6-2-1 余興
  6-2-2 運動
  6-2-3 体の反応
  6-2-4 憧れ
  6-2-5 馬鹿らしい楽しさ
  6-2-6 真似の連鎖
 6-3 再結成、時を経て
  6-3-1 振り付けの真似を懐かしむ
  6-3-2 懐かしんで踊る

第7章 まとめ

 7-1 この論文を通してわかったこと
  7-1-1 ピンク・レディーを受容する
  7-1-2 振り付けを真似する
 7-2 不足点、今後の課題

参考文献
付録1 振り付け紹介
付録2 <ピンク・レディー年表> <シングル一覧表>

【概要】
ピンク・レディーは、1976年にデビュー以来3年弱ほどの間異常な人気を巻き起こし、その人気は社会現象とも呼ばれた。本論文ではその中でも当時子供を中心に大人にまで浸透していた“ピンク・レディーの振り付けを真似する”という現象に着目し、それがどのように行われていたのかを詳細にみていく。執筆者自身がアイドルの振り付けを真似してきたという経験に基づき、このテーマを設定した。
 調査対象は、1976年8月から1979年4月までの3年弱の雑誌、新聞記事である。これらを用いて、まず期間内のピンク・レディーを対象とした全ての言説を配置した「言説マップ」によってその言説空間を把握し、空間内で「振り付けを真似する」という現象はどこに位置しているのかを把握する。その後言説マップ内の分類ごとに言説分析を行い、それを元に「振り付けを真似する」ことについての言説はその他の言説とどのような関わりを持って成り立っているのかを明らかにする。そして分析結果として、ピンク・レディーの振り付けはどのように真似されていたのかを明らかにし、人びとが何故、どのような欲求を持って振り付けを真似していたのかを考察する。