まゆゆ
~第3回発表振り返りレポート~

 第3回発表において、私は修士論文のテーマを再び「女性アイドルのファンコミュニティ」するかどうか、迷っていると述べた。
 このテーマは前年度の夏合宿において、卒業論文のテーマとして決定したものだった。だが、その後、文献に対する読解力不足からテーマ変更せざるを得なくなり、「アイドル声優の成立」というテーマに取り組むことになった。結局、「女性アイドルのファンコミュニティ」は取り組まないままお蔵入りとなっていた。 しかし、一度決定したテーマに取り組まないという選択肢はないと思っていた。
 以上のようなことを考え、私は大学院に進学した。自分で決めたテーマに取り組めないことが悔しいだけでなく、自分の力不足を痛感したからだった。それまでの人生において大きな壁にぶつかったことがなかった私は、自分の成長のためには「女性アイドルのファンコミュニティ」に再度向かい合う必要があると考えた。その上で、大学院では卒業論文のリベンジとして修士論文を書こうと思っていた。このような理由から、私のなかでは「女性アイドルのファンコミュニティ」に再び取り組むことは決定事項だった。
 決定事項とはいっても、女性アイドルばかりに目を向けている自分には疑問を持っていた。女性アイドルを扱いたいというのは、結局、ただアイドルを追っかけているだけのファンとは違う視点からアイドルを捉え、ファンとして差別化を図りたいからではないかとも自分を疑った。それでは結局、女性アイドルのファンである自分の立場を守るために、自己満足な論文を書くことになってしまう。また、私の女性アイドルへの興味は一時的なもののように思っていたため、いつかは薄れていくはずだと考えていた。このため、アイドルに興味がなくなった時、他にテーマとなるような疑問を持つことができないのではないか という不安に駆られていた。
 しかし、そのような葛藤をしつつも、現在の自分にとって「女性アイドルのファンコミュニティ」に再び取り組むのが一番意味のあることだと思っていた。それは、このテーマに取り組むには、読解力を伸ばすことをはじめとして、自分の成長が不可欠だからである。ひとつのハードルとして再度このテーマを設定することに意味があるのだ。
 この上で、合宿において第3回発表を行った。私としては、発表までにテーマを「女性アイドルのファンコミュニティ」に再決定するか否か 、かなり悩んできたつもりだった。だが、実際に発表してみると、意外にもあまり複雑に考えていないことが分かった。それは、レジュメ2枚という発表内容のボリュームに現れていた。この何か月間か悩んできたつもりだったが、レジュメのボリュームからあまり悩んでこなかったことが露呈してしまい、自分に対して非常にがっかりした。もっと悩めるはずだったのではないかと思ったときにはすでに発表を終えた時で、遅かったと後悔することしかできなかった。
 それでも結局、テーマは「女性アイドルのファンコミュニティ」に再決定することになった。長谷川先生としても、このテーマに再決定することが、私の成長につながると考えていたためであった。私が考え、直面しなければならないことは、ここから一気に増えるはずだ。 それは、「女性アイドルのファンコミュニティ」に再び向き合うことで、今まで向き合ってこなかった自分と向き合っていかなければならないからである。自分の成長のためにも、未熟ながらも今度こそは立ち向かっていきたいと思う。