ギャップ戦隊かわいい南武線の発表を終えて
<けーたん>



◆発表の概要
 私は、「大学で学んだ形が欲しい」「一年間何もせずに過ごしたくない」という思いでゼミに入ったため、まだはっきりと「このテーマで書きたい!」というものが決まっていなかった。そのため、これもあれも気になるというまだふわふわとした中での発表になった。

 今回、「車内空間・駅空間」「かわいいとは」「戦隊もの」「ギャップ」という気になっている4点について発表した。

 私は小さいころから電車を利用しており、18年間ほぼ毎日乗っていることで、電車に対して親しみがあった。その中でも「車内空間」は、某テレビ番組のドラマの中で、車内にいる全員が携帯電話や音楽を聴いて自分の世界に没頭している様子が描かれているのを見て、不思議さを感じた。また「駅空間」においては、人が集まる環境というものに興味を持っていた。駅の周りにはさまざまな商業施設が隣接し、駅を中心に町が出来ているのは当然であり、ではなぜ当然だと言い切れるのかについて気になった。

 「かわいいとは」については、このテーマは昨年、講義の中で「雑誌ではない雑誌*1 」を制作した際に調べたテーマであった。その時あまり調べきることが出来ず、もっといろんな文献にあたって調べたいと感じていた。それを考えているうちに「ギャップ」が気になった。例えとして「きもかわいい」という言葉を挙げよう。この言葉は、「気持ち悪い」と「かわいい」という二つの言葉で成り立っている。この言葉が一つの言葉で言わなければわからないようなニュアンスがあるという部分に「ギャップ」を感じた。言葉だけでなく、私自身「実はこういう一面がある」など「ギャップ」に惹かれる傾向にある。なぜそうして惹かれてしまうのかが気になった。

 次に「戦隊もの」について。「戦隊もの」の中でも特に地域のヒーローに興味がある。中学生の時につけていたスクラップノートを見たときに、地域のヒーローについて書かれている記事を見つけた。今から7年も前のことではあるが、その時にはいなかったヒーローが、今では私の住んでいる地域にもいる。ご当地キャラクターのように、地域を守るヒーローとは何者なのかということが気になった。

 以上のもやもやとした発表をレジュメにざっと挙げ、そして発表も今の時点で考えていること、思ったことを発表していった。



◆発表を終えて
 この発表を迎えるまで、私はこのテーマのどれかに絞る、または新しいテーマを見つけることになると考えていた。「このふわふわしたままで本当にいいのか」と、とても不安で、発表もとても緊張した。しかし、発表を始めると、自然と話すことが出来た。

 「なぜ電車に興味があるのか」「戦隊ものへの憧れとは」など、いろんな質問が飛び交う中で、どんどん自分の興味が何に傾いているのか気付けたような気がする。その中でも正直、まだふわふわしているような感じはある。しかし、発表前に比べると何かを掴めた気がする。何個もあるテーマは、どこかバラバラなように感じる中で、ひとつのテーマを考えていくのと同じように、根底ではすべてつながっているということを感じた。この時に、始めから絞るよりも、ふわふわしたものから見つけ出していくことも大切だと気付いた。

 とりあえず一安心し、同時にわくわくしてきた。「ギャップ戦隊かわいい南武線」とすべて並べてみると何をいいたいのか全く分からないテーマだ。しかし、夏にはテーマを固めなければ間に合わない。そのために、今回挙げた4つのテーマを1つのテーマに絞るのではなく、題材として、何が気になってこのもやもやしているものがあるのかについて、それぞれ調べ始めたい。

 色々な意見の中でも、先生の総評でヒントとして聞いた「儀礼的無関心」について特に気になった。まずはこのことから調べていきたいと思う。また、普段からアンテナを張って生活して、どんどん気になったことを挙げていきたい。そして自分と向き合い、一つのテーマに溺れないように、ゼミ生のいろんな視点からの意見を貰いつつ、固めていきたい。



◆注釈
*1 「雑誌ではない雑誌」制作とは、長谷川先生の講義内で行われたものである。3〜5人一組のグループワーク形式で行う。各々が自分の書きたいテーマを考え、それについての論文を執筆する。「紙でできた冊子」という従来の雑誌の形ではなく、各々の論文のテーマからグループごとに一つの主題を見出し、それを表現するために様々な素材を用いて雑誌の外形を作るため、「雑誌ではない雑誌」なのである。