「アニメソング」と「憧れ〜宇宙・幽霊・王子様・ボーイズラブ〜」
<しおりん>



◆発表の概要
 卒論のテーマ決めに向けて、私は自分の中で気になっている「アニメソング」と「憧れ」について発表した。 幼い頃からアニメを観ていたことと習い事や吹奏楽部での楽器の経験が重なり興味を持ったアニメソング、「宇宙」「少女マンガ」「王子様」「ボーイズラブ」など気になっていることに共通する「憧れ」という意識。 どちらも私にとっては重要で、ゼミに入る前から「どちらにしようかな…」と迷っていたテーマだ。



◆発表を終えて
 いざ発表を始めてみると、皆の発言で多くのことに気づかされた。ゼミに入った理由の一つである「皆の話を聞くこと」もできて、大変有意義な時間であったと思う。 各々がなぜそのテーマを選んだのか、何を大切にしているのかという話は聞いていてとても面白く、「もっと知りたい!」という思いから発表時間が長引いてしまうこともあった。

 私は昨年参加したアニメソングのライブについて、アイドルのような扱いをされている声優のユニットの曲で会場が大盛り上がりしているのを見て「今はこういう曲がアニメソングと呼ばれているのか」と違和感を覚えた、と発表した。 しかし、それは私がアニメソングを「誰もが知っていて、誰もが聴いて盛り上がれるもの」と思っていた、ということだ。改めて当時のことを考えてみると、ただ自分が無知であっただけで、 「アニメソング」というものを自分の好き嫌いで判断してしまっていたことがわかった。そうした偏りや自分のなかのアニメソングがどういうものなのかということについて、自分のことでもなかなかうまく説明することができないというのが現状だ。 全体的に「約束事」や「パターン」に意識が向かっているという先生の指摘からも、自分はどこかで「アニメソングとはこういうものだ」という答えを欲していたのではないかと考えさせられた。 アニメソングに、そもそも音楽に定義というものはあるのかということをこれから考えていかなければならないと実感している。

 「憧れ」というテーマのなかで気になっていることとして挙げたSF映画と金管楽器の関係や女役を降りないボーイズラブの受けのキャラクターなどについても「約束事」や「パターン」に向かっているという指摘を受けた。 また「王子様という存在」「少女マンガに憧れる」「BLのキャラクターへの自己投影」などといったことから、自分は描かれるキャラクターに自分を重ねたいと思っている、ということがわかった。   しかしこれらのことはあくまで題材で、自分が本当に「これでいこう!」と思えるテーマにたどり着くには、まだまだ時間がかかるように思う。これからは、これらの題材ひとつひとつについてより知識を深めていくことが必要であると考える。

 これまでこの二つのテーマについて誰かと話をしたり共有したりすることがあまりなかったので、自分のなかだけで悶々と考え込んでいたことを人前で発表するというのはとても不安なことであった。 「皆にわかってもらえるか」「自分の考えに偏ってしまっているのではないか」と発表の直前まで緊張していた。また、その日に考えて「こうかな?」と思ったことが次の日には「本当にそうなのか?」と疑問になったり、 気になることがありすぎてまとめられずに混乱してしまったりもした。発表が終わった今でもモヤモヤしていることが出てきて「これを言ってなかった!」「こう言えばよかった!」と反省することがある。 しかし、このモヤモヤした感じを少しずつ言葉にしながら出すことを心がけ、皆との話し合いを重ねていき、自分が本当に向き合え、自分にしか書くことのできないテーマを見つけていきたいと思う。